つぶやき41
「ハナちゃん、さようなら」
1997年、我が家にやってきたトビネズミのハナが1月10日に逝ってしまった。
エジプト生まれのおもろいその姿は、長い間わたしを癒してくれました。
その日の昼、餌をあげようと水槽の蓋をあけ、寝ているように見えた体を触ると、冷たい!
ネオキの時もそうだった。彼らの体が冷たくなる時、死がそこまで来ているという合図なのだ。
出掛けなければならなかったので、死を覚悟して出掛けた。
「ネズミ寿命的には奇跡のような長寿なんだから、しょうがない」と自分に言い聞かせて。
深夜戻って触ってみる。・・・・・ものすごく冷たい。
きっともう死んでしまったんだ。
普段は逃げ回って触らせなかったその小さな体を、そっと手のひらで包んでみた。
まだやわらかい体を撫でてみる。・・・と、小さな手が、かすかにピクリと動いた。
まだ生きてる?!
手のひらで包んで温め、温かい息を吹きかけたり、ヒーターの側で温めたり、
心臓のあたりをマッサージしてみたり、「ハナちゃん、がんばれ!」と励ましたりしたけれど、
どう見ても彼は死に向かっていた。
いつもは艶やかな毛はペットリとへばりつき、ボサボサとあっちこっちにいっている。
まんまるで飛び出ているのが特徴の目はどんよりと曇り、半開き。目の下にはクマ。
鼻からはなにかドロリとした物が出ている。せわしなく動くはずの足は微動だにしない。
それでも2時間ぐらい温め続けた。わたしの手の中で逝けばいいと。
そしたらですねえ、
生き返ったのです。
突然グーンと伸びをしたかと思うと、小さなうんこをポロっと1つして、手の中で動き出したではないか!
「なに?あんた!どういうこと!?」と思わず泣き笑い。
ためしにレタスを与えてみると、シャリシャリ食べるし!しかもわたしの手の上で。
いつもは逃げ回って、じっとしてないハナちゃんがわたしの手の上に乗っている。手乗りハナちゃん!
なんだよ、なに?冬眠してたの?・・・バカだねえ。
ものすごく嬉しかった。
この絵を残しておきたかったが、デジカメは壊れていた・・・・。残念。
そして次の日、目をさますとハナちゃんは逝っていた。
笑っているような顔して。
トビネズミの正しい持ち方。(脚力が強すぎて、抱いたりできなかったのです)
彼は、雑誌「美的」と「ドマーニ」に登場したことがあるんですよ。
アホ顔とアホ行動にいつも癒されたよ。ありがとう、ハナちゃん!
2005/01/12掲載 (C)タケイ・E・サカエ2004